NEW「目と手が届く範囲の技術」

この写真は数年前、手で積む石積みのワークショップに参加した時のものです。
初めての私でも少しコツを覚えれば結構きれいに、そして頑強に積めるのです。
それに仕事そのものが楽しく、でき上がった石積みに対する「愛情」に近いものを感じました。
さて、この数十年で工務店の「技術」は機械化と分業化が進み、どんどん目と手の届かないところに行ってしまいました。
それによってつくり手の現場にいる皆さんは様々な副作用を感じている事でしょう。
つくったものに対する責任を持ちにくい。
つくったものに対する愛情を感じにくい。
技術は発達したように見えて、実は私たちつくり手の感情には大きなマイナスだったのです。
しかし、これからはその揺り戻しが来るような気がしています。
工務店の評価が、売上や利益金額、着工棟数というお金のモノサシではなく、つくり手の満足度や社会からの好感という感情のモノサシで測られる時代に確実に向かっていくでしょう。
そして工務店の技術は、もう一度、目と手が届く所に戻ってくるはずです。
でも、だからと言って昔に戻るというのとは違います。
今の私たちにはITやロボットなど最新の技術があります。
これを活用することに恐れる必要はありません。
なぜなら、それら最新の技術の目標そのものが、人間の目や手、そして感情にどれだけ寄せられるかということだからです。
「新時代の目と手が届く技術」
工務店にとって、これがこれからのキーワードです。
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